eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、米国を代表する株式指数S&P500(配当込み、円換算ベース)の値動きに連動するインデックスファンドです。

インデックスファンドは、指数(インデックス)に連動する投資信託(ファンド)のことだよ

S&P500は、米国を代表する500社の株価の平均を計算した指数のことだよ
S&P500は世界経済の中心といわれる米国の企業を集約した株価指数で、大変注目度の高い指数であることは間違いありません。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、そのS&P500に投資できるインデックスファンドとして人気のある投資信託です。
今回は、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の交付目論見書、請求目論見書、運用報告書、交付運用報告書、最新の月報を確認しながら解説していきます。

交付目論見書(こうふもくろみしょ)は、投資信託の発行者が投資家に向けて発行する開示資料のことだよ
商品の説明書だと思ってもらえると簡単だね

請求目論見書(せいきゅうもくろみしょ)は、投資家が請求した場合に義務付けられている目論見書で、交付目論見書より詳細な情報が開示されている資料のことだよ

運用報告書(うんようほうこくしょ)は、基本的に決算を迎えるごとに作成されます。
運用報告書には、運用実績や今後の運用方針など運用に対する事柄が記載されているんだよ
運用報告書の重要な項目を記載して、投資信託を保有している人(受益者)に交付される運用報告書のことを交付運用報告書と呼ぶんだ
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の特徴は、
- 世界を代表するS&P500 指数をベンチマークとするインデックスファンド
- ファミリーファンド方式を採用している
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、三菱UFJ国際投信株式会社が委託会社として支持をしている
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、為替ヘッジをしない
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、配当込み・円換算ベースでの連動を目指している
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、4つのリスクを提唱している
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、0.0968%と低い運用管理費(信託報酬)
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500)にかかる税金は、分配時と換金・償還時のみ
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、マザーファンドを通して米国株式に投資している
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)について、初心者でもわかるように解説していきます。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)とは
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、eMAXIS Slimシリーズの1つで米国の株価指数S&P500の値動きに配当込み・円換算ベースで連動を目指すインデックスファンドです。
S&P500やインデックスファンドについてはコチラに詳しくかいてあります。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の委託会社や関係法人はどうなっているの?!
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、三菱UFJ国際投信株式会社が委託している商品です。
三菱UFJ国際投信株式会社が運用の指示を出し、三菱UFJ信託銀行株式会社と販売会社が実行していきます。
販売会社がeMAXIS Slim米国株式(S&P500)を投資家に販売し、集めた資金を三菱UFJ信託銀行株式会社へ預け管理していきます。
三菱UFJ信託銀行株式会社に預けた資金を、マザーファンドのS&P500 インデックスに投資をし、マザーファンドが米国株価に投資をしているという流れになっています。
流れとして図の方が分かりやすいので、こちらをご覧ください。

eMAXIS Slim米国株式(S&P500) 配当込み円換算ベースの連動ってどういう意味?!
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)には、S&P500の『配当込み、円換算ベース』に連動します。と書いてあります。
配当込み、円換算ベースに連動するとは、どういう意味でしょうか?
配当込みとは?!
配当込みとは、指数の構成銘柄の配当金を考慮して算出された株価指数という意味です。
株式には配当金があるのを知っている方は多いと思います。
企業の業績が良ければ、株主である投資家に配当金という形で利益を還元しています。
配当金を払えば株価が下がる事もありますが、配当金が多ければ株価が上がる事もあります。
S&P500に該当している企業も同じことが言えます。
配当込みというのは、配当金などを考慮して値動きに連動していますという事です。
税込み、税抜きと似ていますね。
円換算ベースとは?!
円換算ベースとは、ドル建てやユーロ建てなど円で評価することが出来ない投資商品を円換算で表した商品の事です。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の円換算ベースとは、円で換算した商品をS&P500の動きに連動しますよ。という意味です。
円換算ベースの基準は、商品を開発した投資信託運用会社が決定します。
大げさに言えば、商品の最初の金額は100円でも良いんです。
100円ですが、円換算ベースで今後はS&P500の値動きに連動する投資成果を目指していけば成り立つという事です。
とはいえっても、100円ではなにを根拠に算出しているのかわかりませんよね。
ですので、投資信託運用会社がいろんな要素を考慮しながら円換算ベースをもちいて基準となる価格を決めているんです。
S&P500指数(配当込み、円換算ベース)をベンチマークするとは?!
ここまでくれば、S&P500指数(配当込み、円換算ベース)をベンチマークすることの意味をなんとなく理解できたのではないでしょうか
S&P500指数を構成している株式銘柄の配当を考えながら、投資信託が定めた円換算ベースの価格を、S&P500指数を基準(ベンチマーク)として連動させていきます。
という事です。
玉ねぎの税込み金額を、有名スーパーの金額に合わせていくよ!!
という事と同じと考えれば簡単に考えられますね。
では、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の中身を解説していきます。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の概要
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、追加型の海外株式を対象としたインデックス型投資信託です。
商品分類と属性区分を説明していきます。
【商品分類】追加型
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、追加型投資信託です。
追加型投資信託は、オープン型投資信託とも呼ばれていて、募集期間終了後も基準価額で売買することが可能になり制限はありません。
逆に募集期間中しか購入できない投資信託を単位型投資信託と呼んでいます。
【商品分類】投資対象地域 海外
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、投資対象地域を海外としています。
属性区分では、北米としています。
S&P500が米国の株価指数ですので、投資対象地域は海外・北米となります。
【商品分類】投資対象資産 株式
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、米国株価指数S&P500を投資対象としています。
S&P500は、500社の株価を平均した指数ですのでeMAXIS Slim米国株式(S&P500)は株式を投資対象として運用しているということです。
【商品分類】補足分類 インデックス型
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、米国のS&P500指数を連動とした運用成果を目指すインデックス(指数)型となります。
【属性区分】決算頻度 年1回
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の決算は年1回です。
毎年4月25日が決算となります。(休業日の場合は翌営業日です。)
【属性区分】投資形態 ファミリーファンド
ファミリーファンド方式は、投資信託の資金をベビーファンドからマザーファンドと呼ばれる投資信託に投資し、そこから対象に対して投資をするファンド方式です。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、ファミリーファンドの中ではベビーファンドの位置になります。

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の商品分類と属性区分 まとめ
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の、商品分類と属性区分について説明させて頂きましたが、ご理解いただけましたでしょうか
まとめると、
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は米国のS&P500株価指数を投資対象としているインデックス型・追加型の投資信託です。
年1回の決算を設け、ファミリーファンド方式で運用をしています。
というのがeMAXIS Slim米国株式(S&P500)の概要説明になります。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の目的と特色
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の目的と特色を解説していきます。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の目的
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の目的は、S&P500 指数の値動きを配当込み・円換算ベースで連動する投資成果を出すことです。
米国株価指数S&P500 と同じ投資成果を目指すということは、S&P500 に投資している事と同等の意味を持つことになります。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の特色
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の特色は、大きく分けて3つ
- S&P500 指数に配当込み・円換算ベースで値動きを連動させ投資成果を目指す運用を行う
- 主に対象インデックスに採用される米国株式に投資を行う
- 原則として、為替ヘッジは行わない
この3つです。1については、すでにご理解いただいていると思いますので、2と3について解説していきます。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の特色 主に対象インデックスに採用される米国株式に投資を行う。
主に対象インデックスに採用される米国株式に投資を行うという意味は、S&P500 に採用されている企業の株式に投資をするという意味です。
先ほどの画像をご覧ください。

こちらを見て頂くとeMAXIS Slim米国株式(S&P500)の最終的な投資着地点は、米国株式になっています。
しくみが分かってきた人もいるのではないでしょうか?
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、マザーファンドを通して米国株式に投資をして、S&P500 指数の値動きに連動させているということがわかると思います。
交付運用報告書や交付目論見書、最新の月報などを見ればS&P500 に採用されている企業の株式に、どれくらいの比率で投資されているかがわかります。
興味がある方は、ぜひ見てください。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の特色 原則として、為替ヘッジを行わない
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、為替ヘッジを行わないという特色があります。
為替ヘッジを行わないとは、
為替変動の影響を受けるということです。

為替変動とは、ドル円が110円から100円に下落したり、上がったりする通貨価値の変動のことだよ

為替ヘッジありの場合は、為替変動の影響を受けずに外国株式や外国債券だけの収益を求める事が出来るんだ
どういうことかと言うと、
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は米国ですので、「ドル円」の為替相場の影響を受けます。
例えば1ドル100円から、110円になったら円の価値は10円あがります。この時のeMAXIS Slim米国株式(S&P500)を保有してる人は、利益が出ます。円の価値が上がるからです。
逆に1ドル100円から、90円になったら円の価値は10円さがります。この時eMAXIS Slim米国株式(S&P500)を保有している人は、損失が出ます。円の価値が下がっているからです。

為替変動で利益や損失が出るのは、海外を投資対象とする投資信託が米ドルやユーロなど外国の通貨を通じて投資を行っているためです。
海外の株式は直接日本円で買えないからです。
そのため、換金時に購入した時よりも円の価値が上がっていれば為替差益もプラスされて還元されます。
逆に購入時よりも円の価値が下がっていれば、為替差益のマイナスが反映されて換金されます。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、為替ヘッジをなくして為替変動を利用した利益を得る事もできるということです。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) 4つのリスク
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)には、4つのリスクがあります。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は元本が保証されている商品ではないので、リスクはしっかりと把握しておくことが大切です。
価格変動リスク
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)での価格変動リスクは、株式の価格変動を指しています。
株式の価格は企業の業績・市場・経済の状況によって日々変化していきます。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、マザーファンドを通して米国株式に投資しており、運用比率が高い企業の株式が下落すればS&P500 指数はもちろん基準価額の下落要因につながります。
ですので、S&P500 指数だけではなく、米国の経済状況や運用比率の高い企業も見ておくことがリスク回避に繋がるということです。
為替変動リスク
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は為替ヘッジを行いません。
ですので、ドル円の為替変動の影響を受けます。
購入時より円の価値が高ければ利益は出ますが、購入時より円の価値が低ければ損失が出ます。
買った時より未来の価値は予測できませんが、為替変動のリスクは必ずあるということを覚えておいていただければと思います。
信用リスク
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の信用リスクとは、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)を発行している会社等の経営・財務状況が悪化した場合や評価が悪化した場合の事を言います。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の場合は、発行元の三菱UFJ国際投信株式会社や三菱UFJ信託銀行株式会社などが該当します。
この場合、価格の下落や価値がなくなる事もあります。
可能性の問題ではありますが、0ではないということを覚えておきましょう。
流動性リスク
流動性リスクとは、需要と供給のバランスの事を指しています。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は追加型のインデックスファンドです。売り買いは売買が可能な時間帯であれば出来ます。
ただし、需要があるのに供給できない、供給できるが需要がない、では商品として成り立ちません。
そこで、十分な流動性がない場合は取引が不可能になってしまったり、市場の価格より不利な価格で取引せざる負えない場合があるということです。
流動性がなくなってくると需要と供給のバランスが崩れます。
毎日ではなくても、基準価額や純資産総額などをチェックしておくことでリスク回避に繋がっていきます。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) 4つのリスク まとめ
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の4つのリスクは、想定されるリスクではありますが、この他に価格変動リスクと為替変動リスクに影響を及ぼすリスクがあります。
それは、
- 要人発言
- 地政学リスク
- 経済指標
の3つです。順に解説していきます。
要人発言
要人発言は、大統領や中央銀行総裁など国の中心人物の発言によって、経済状況に影響を与えてしまうことを意味しています。
特に株価や為替は、この要人発言の影響を受ける事があります。
また、他国の要人が対象国に対する経済対策などの発言をしたときにも影響が出る可能性があります。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、米国の株式に投資をしていて株価の変動の影響を受けます。
また、為替ヘッジを行わないことから為替変動に対しても影響を受けます。
要人発言は予期しないときに起こる場合もあるので対応は難しいですが、こういったリスクも想定しておく必要が投資にはあります。
地政学リスク
地政学リスクとは、政治的・軍事的・社会的な緊張が高まった時に起こるリスクのことです。
戦争やテロが起こったり、コロナ感染拡大など、経済の先行きが見えなくなってしまう事で起こります。
この場合も、株価や為替に影響を与えます。
経済指標
経済指標とは、対象となる国の経済状況を表す指標です。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、米国の経済の影響を受けていますので、米国の重要な経済指標をチェックすることも必要です。
米国には、雇用統計など重要な指標がありますので、経済状況を知る上でも内容を把握しておくことをオススメします。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)にかかる費用と税金
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)を購入する前に、かかる費用面や税金なども抑えておくと良いと思います。
せっかく投資したのに、費用だけでマイナス?!なんて事にならないようにしたいですね。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)にかかる費用
- 購入時手数料はありません
- 信託財産留保額はありません
- 運用管理費(信託報酬)はあります

購入時手数料は、購入するときの手数料のことだよ

信託財産留保額は、換金時(解約時)にかかる費用のことだよ
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の運用管理費(信託報酬)とは
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)でかかる費用は、運用管理費(信託報酬)です。
運用管理費(信託報酬)は、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)を保有している間の運用管理費です。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の運用管理費(信託報酬)は、
税込み0.0968%(税抜き0.0880%)です。
次の計算式で運用管理費(信託報酬)を出すことが出来ます。
保有期間中の平均基準価額×信託報酬率×保有日数
1年保有してたAさんと6カ月保有していたBさんで、概算の運用管理費(信託報酬)を計算してみましょう。

概算での信託報酬費用ですが、計算方法はわかって頂けたかと思います。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)にかかる費用が、運用管理費(信託報酬)だけです。
投資信託の運用管理費(信託報酬)は、1%を超えるものが半数以上あるなかで1%を切っているというのは、とても投資家向けに考えられた商品ではないかと思います。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)にかかる税金
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)にかかる税金は2つあります。
分配時と換金(解約)・償還時です。

分配金とは、運用成績によって得られた利益を投資家に分けるこだよ

償還とは、投資信託が決めた決めた期間満了や運用目的が達したとき、または運用成績が良くない場合などに、投資家が投資した資金を返すことを言うんだよ

換金時(解約)の手数料はかからないけど、利益に対しては必ず税金がかかってしまうんだよ
分配時と換金・償還時にかかる税金の名目は『所得税および地方税』となります。
どちらも20.315%の税金がひかれます。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)に分配金はあるの?!
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の分配金は、過去3年間ありません。
これは、請求目録見積書にも分配方針が記載してあります。
分配金額の決定は、信託財産の成長を優先しているので、基本的に分配をおさえる方針とのことです。
とはいっても、これからeMAXIS Slim米国株式(S&P500)が成長していって収益が多くなってくれば分配金の可能性もあるかもしれません。
分配金額の決定は、年1回決算時(4月25日)に決定されます。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)を購入する前にシュミレーションを行おう
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)を購入する前に、必ずシュミレーションを行うことをオススメします。
なぜかというと、毎月の積立費用で何年後にどのような資産が築けるのか、目標とする資産にするには積立金をいくらにして何年積み立てれば達成できるのか明確になるからです。
また、必ずしもリターンばかりではありません。
投資にはリスクがあります。
シュミレーションを行うことで、どれくらいのリスクがあるのかを知る事が出来ます。
思い立ったが吉日ということで購入する気持ちもわかりますが、大切な資産ですので守る事も忘れずにしたいですよね。
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